top of page

実はほめるのニガテなんです…。悩めるパパママ必見!!ほめどころを見つけるコツ〜子どもの行動を"因数分解"しよう!〜

  • 執筆者の写真: キッズランドまめの木
    キッズランドまめの木
  • 3月25日
  • 読了時間: 7分

更新日:4月8日




問題行動の裏に隠れたメッセージ

(目安:6分)

いい加減にして!何度言ったらわかるの!

どうして同じことを繰り返すの...

公園で突然友達を叩いた我が子。焦って謝る親御さん。何度叱っても、何度説明しても、同じことを繰り返す子どもの姿に、途方に暮れることはありませんか?

どうして分かってくれないんだろう…

そう思ったとき、実は子どもの心の中でも同じ思いがうず巻いているかもしれません。

どうして大人は私の気持ちを分かってくれないんだろう…

今回は、一見理解できない子どもの行動の裏側に隠された本当のメッセージを読み解く、"因数分解"という視点をお伝えします。この視点を身につけるだけで、子どもへの理解が深まり、イライラではなく冷静で効果的な対応ができるようになります。

 

\なぜ「因数分解」が必要?/

因数分解が必要なワケ|キッズランドまめの木

叱るより褒めましょう! 子どもの気持ちに寄り添いましょう!

と言われても、「実際どうすればいいの?」と困ってしまうことがありますよね。特に、子どもが理解できない行動をした時、私たち大人は無意識のうちに「単純な原因」を探してしまいます。

やる気がないから わがままだから 性格だから…

しかし、この「単純な原因」で片づけてしまうと、本当の解決策が見えなくなってしまうのです。

 

\カレーに学ぶ因数分解/

カレーづくりから学ぶ因数分解|キッズランドまめの木

あなたが心を込めてカレーを作ったのに、味見をしたらイマイチでした。どうしてうまくいかなかったんだろう…?考えられる理由はいくつあるでしょうか?

  • スパイスが足りない

  • 炒める時間が短すぎ

  • 隠し味を入れ忘れた

  • 煮込み時間が足りない etc

たった一つの「イマイチなカレー」という結果に対して、これだけ多くの可能性が考えられます。しかもこれらのうちいくつかが組み合わさっている可能性もあります。

子どもの行動も同じなのです。

宿題をしない 朝起きられない 片付けができない

という一つの行動には、様々な要素が絡み合っています。「この子はやる気がない」「いつも約束を守れない子だ」と一面的に判断してしまうと、問題解決の糸口を見失ってしまいます。


 

\行動を4つの要素/

こどもの行動を4つの視点で因数分解|キッズランドまめの木

子どもの行動を理解するために、次の4つの要素に分けて考えてみましょう。このフレームワークがあるだけで、子どもの行動を冷静に分析できるようになります。

1. 感情今どんな気持ちなのか

ㅤㅤ

2. 状況今置かれている環境はどうかㅤ

3. 能力今の発達段階でできること・難しいこと

4. 経験過去の体験がどう影響しているか

これらの要素が複雑に絡み合って、一つの行動が生まれています。問題行動と思えるものも、この視点で見ると「なるほど、そういうことだったのか」と理解できることが多いのです。

 

\隠れたSOSサイン/

隠れたSOSのサイン|この子は何に困ってる?|キッズランドまめの木


【事例】

公園で突然、友達を叩いてしまった5歳児の男の子

多くの大人は「叩いてはダメでしょう!謝りなさい!」と反射的に叱ります。これは暴力を容認できないという点では正しい対応です。でも、その行動を「因数分解」してみると…

感情:

  • 悔しい、怒り、嫉妬

  • 自分の思い通りにならない不満

  • 言葉で表現できないほどの強い感情

状況:

  • 遊具の順番争いがあった

  • 昼食時間が過ぎていて空腹

  • 周囲が騒がしく刺激が多い

  • 朝からずっと外で遊んでいて疲れている

能力:

  • 5歳児の感情処理能力の限界

  • 順番の概念がまだ完全に定着していない

  • 言語表現の未熟さ(気持ちを言葉にできない)

経験:

  • トラブル解決の経験が少ない

  • 過去に言葉で主張しても聞き入れてもらえなかった

  • 大声を出したり手が出たりすると大人が注目してくれた

このように分解すると、「叩く」という行為は単なるワガママではなく、「自分の気持ちを伝えたい」「困っている」というSOSサインだったことが見えてきます。

もちろん、暴力は認めてはいけません。しかし、叱るだけで終わらせるのではなく、このSOSサインに応えることが問題の根本的な解決につながります。

 

\対応の糸口/

見えてくる対応の糸口|キッズランドまめの木


行動を因数分解すると、適切な対応の糸口が見えてきます。先ほどの例では

事例:友達を叩いた子どもの場合

  1. まず安全を確保する (暴力は穏やかに、しかし毅然と止める)

  2. 感情に寄り添う 「悔しかったんだね」「言葉にするの難しかったね」

  3. 状況を調整する (休憩を取る、軽い食べ物を提供、刺激を減らす)

  4. 能力を補う (「貸して」「順番ね」などの言葉の使い方を教える)

  5. 新しい経験を積ませる (言葉で伝えて解決できた成功体験を作る)

「叩く」という一つの行動に対して、多角的なアプローチが可能になります。これが因数分解の力です。


 

\「お風呂に入る」の因数分解/

お風呂に入りたがらないのはなぜ?|キッズランドまめの木

お風呂に入るという日常的な行動も、実は多くの要素からなる複雑な活動です。お風呂嫌いのお子さんの行動を因数分解してみましょう。

「お風呂に入りたくない!」と言う子どもの行動を分解すると…

感情:

  • 恐怖(水が怖い、シャワーの音が怖い)

  • 不安(一人になる恐れ)

  • 遊びを中断されることへの不満

状況:

  • 疲れている、眠い

  • 室温と浴室の温度差

  • 楽しい遊びの最中だった

能力:

  • 脱衣の難しさ(ボタンやファスナーの操作)

  • バランス感覚(滑りやすい浴室での立ち座り)

  • 感覚過敏の可能性(水の感触、シャンプーの匂い)

  • 一人で体を洗う技術がまだ身についていない

経験:

  • お風呂タイムが楽しかった記憶があるかどうか

  • 過去の不快体験(石鹸が目に入った、滑って転んだ)

  • 入浴後のごほうびの有無

お風呂嫌いの理由は十人十色です。「ズボンを脱ぐのが難しい」ならその部分を手伝う、「湯船が怖い」なら最初はシャワーだけにするなど、原因に合わせた対応ができます。


 

\まとめ/ 子どもの行動を理解する新しい視点

問題行動の裏に隠れたメッセージ|キッズランドまめの木


子どもの問題行動は「悪いこと」「直すべきこと」と捉えがちですが、実は大切なメッセージが隠されています。行動を「因数分解」して多角的に理解することで、適切な対応ができるようになります。

\今日から実践/

  1. 子どもの行動を一面的に見ない

  2. 「なぜだろう?」と4つの要素で考える

  3. 小さな変化を認め、長期的な視点で見守る

完璧な対応は必要ありません。「この子の行動にはきっと理由がある」という視点を持つだけで、親子関係は大きく変わります。因数分解する習慣が身につくと、イライラの代わりに「なるほど」が増える子育てになるはずです。

次回は「驚きのリアクションで子どもが変わる!効果的なほめ方革命」と題して、子どもの才能と可能性を引き出す具体的な褒め方をご紹介します。お楽しみに!

キッズランドまめの木

ㅤㅤ

 

保護者の本音コーナー

かんしゃくに困っています|キッズランドまめの木

A:

多くの保護者が同じ悩みを抱えています。実は子ども自身も「なぜそうしたのか」を説明できないことが少なくありません。それは、自分の行動の理由を認識し言語化する力がまだまだ発達途上だからです。

小さな子どもの場合、自分でも「なぜ泣いているのか」「なぜ怒っているのか」を説明できないことがほとんど。だからこそ、大人が因数分解してあげることが大切なのです。

子どもの言葉を待つだけでなく、「お腹すいていたのかな?」「疲れていた?」「友達とのことで悲しかった?」と可能性を示してあげると、子ども自身の自己理解も深まります。


つい感情的になってしまう…|キッズランドまめの木

A:

人間ですから、完璧に冷静でいられないのは当然です。大切なのは、感情的になってしまった自分を責めないこと。その場では難しくても、少し時間をおいてから「あの時の子どもはどんな状態だったのだろう」と振り返ることからでも始められます。

そして、少しずつでも「なぜだろう?」と考える習慣がつくと、次第に「その場で因数分解」できるようになっていきます。親も子どもと一緒に成長していくのだと、温かい目で見守ってくださいね。


 

付録1


行動の因数分解ワークシート|キッズランドまめの木

付録2

発達段階別アプローチのポイント|キッズランドまめの木




まめの木広報室

Comments


bottom of page