【今日から始めよう!】ASD児の言語発達を促す家庭での実践テクニック💡
- キッズランドまめの木
- 7月1日
- 読了時間: 7分

【ASD児コミュニケーション支援シリーズ】 第1回:理解編 第2回:実践編 ← 今ここ 第3回:専門支援編
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こんにちは!キッズランドまめの木です🌱
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前回は「"言葉が出ない"と"コミュニケーションができない"はちがうよ」ということをお伝えしました。非言語コミュニケーションの大切さが伝わっていたら幸いです。
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今回は、それを踏まえて、家庭で今日から実践できる具体的なテクニックをご紹介します!
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非言語のコミュニケーションから会話へ、実例とともに詳しく解説していきますね😊
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非言語から言語への段階的アプローチ

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\第1段階:言葉の価値を感じてもらう/
💡まずは、言葉が情報や気持ちを伝える大事な手段であることを、感じてもらうことから始めます。
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こどもは生まれつき言葉を理解しているわけではありません。極端な話、「あの人達が口から出してる音はなんなんだろう?」という状態がスタート地点なのです。
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意味がわからないまま、なんとなく自分の口からも音(声)が出て、それにまわりが反応してくれることで「声には何かを伝える力がある」と理解し、言葉の獲得がはじまるのです。
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ですから、まずは声(言葉)に意味や価値があることを感じてもらわう必要があります。お子さんが黙っていても、こちらから声をかけ、その子の行動を代わりに言語化してあげましょう。
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具体例:
・「楽しそうだね!」
・「お…プラレールで遊んでるのか!」
・「青い電車か!次は何色?」
・「トンネルを通るのか。面白いね」
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ポイント:
・自然な声かけを心がける
・押し付けがましくならない程度に
・しつこすぎて邪魔者扱いされないよう注意
・その子が興味を持っていることに焦点を当てる
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\第2段階:言葉をつなぐ/
💡言葉が出てきたら、語彙を増やすことに取り組みます:
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基本的なやり方:
1.気持ちや目の前の状況を言語化してあげる
子:(黙って電車を見ている)▷大人「でんしゃだよ」
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2.その子が言葉を発したら、それをそのまま繰り返す
子:「でんしゃ」▷ 大人:「でんしゃだね!」
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3.少し言葉を追加して返してあげる
子:「でんしゃ」▷ 大人:「青いでんしゃだね!」
子:「青いでんしゃ」▷ 大人:「青いでんしゃが走ってるね!」
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\第3段階:興味に沿った語彙拡張/
💡その子が興味を持っているものに焦点を当てることが最も効果的です:
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興味のあるものを活用した例:
・電車好きの子
▶ 「新幹線」「在来線」「駅」「線路」などの関連語彙
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・動物好きの子
▶ 「走る」「鳴く」「大きい」「小さい」などの動作・形容詞
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・お絵描き好きの子 →
▶「赤」「丸」「描く」「消す」などの色・形・動作
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📢 重要:
覚える順番にこだわらず、本人の興味に沿って支援していくことが大切です。
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家庭でできる具体的支援策

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\日常生活での言語化テクニック/
💡家庭でのなにげない会話も、お子さんにとっては大事な成長のチャンスです。
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効果的な話し方のコツ:
📍短い文で話す
「今からお風呂だよ」
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📍具体的で分かりやすい表現を使う
「美味しいご飯だね」
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📍トーンに注意して話す
(優しく、穏やかに)
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📍抽象的な表現は避ける
「思いやりを持って」→「順番を守って」
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\日常の言語化例/
朝:「おはよう!よく寝れた?」
食事:「ごはん、しっかり食べようね」
遊び:「一緒にブロックで遊ぼう」
入浴:「お風呂でさっぱりしよう」
就寝:「一日お疲れ様。おやすみ」
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\環境設定のコツ/
💡視覚的な情報提供で理解を促進:
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1. スケジュールの視覚化
・一日の流れを絵や写真で表示
・見やすい場所に貼る
・終わったものにはチェックマークを
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2. 絵カードの日常的活用
・「おやつ」「遊び」「お風呂」などの基本カード
・要求を伝える練習に活用
・徐々に言葉と組み合わせる
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3. ルーティンの活用
・平日と休日の過ごし方をパターン化
・可能な限りそれを守れるようサポート
・予期せぬ変更は早めに具体的に説明
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\効果的な褒め方の具体例/
💡適切な言動を具体的に褒めることで、その行動を強化できます:
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良い褒め方の例:
📍「ありがとう」が言えた時
「ありがとうって言えたね。素敵だったよ」
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📍お友だちとおもちゃを共有できた時:
「取り合いにならなくてよかったね。友だちもきっと喜んでるよ」
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📍順番を守れた時:
「順番を守って待てたね。とても上手だったよ」
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\褒めるときのポイント/
・何が良かったのかを具体的に伝える
・相手への影響も含めて説明する
・大げさすぎない自然な褒め方を心がける
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成功体験の積み重ね方

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\焦りは禁物!/
💡言葉を出させようと焦って無理強いすると、「コミュニケーション自体を嫌がる」状態になり、かえって発語が遠のきます。
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\効果的なアプローチ/
1. 非言語でも成功体験を積む
・ジェスチャーでの要求が通った時も大いに喜ぶ
・アイコンタクトでのやり取りも立派なコミュニケーションとして評価
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2. 小さな発語も大切にする
・「あ」「う」などの音でも反応してあげる
・完璧な発音でなくても受け入れる
・「言えたね!」と認めてあげる
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3. 失敗を責めない
・言葉が出なくても責めない
・挑戦したこと自体を評価する
・「今度でいいよ」と安心感を与える
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4. その子のペースを尊重
・無理に急かさない
・小さな成長を見逃さない
・比較しない(他の子や兄弟姉妹と)
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視覚的サポートの効果的活用

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絵カードによるコミュニケーション(PECS)入門
💡PECSは、言葉によるコミュニケーションが難しいお子さんに非常に有効です:
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📍始め方:
基本段階:「飲みたい」「遊びたい」などの要求を絵カードで伝える練習
発展段階:「一緒に遊ぶ」「外に行きたい」など詳細な要求へ
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📍PECSの効果:
・他者とコミュニケーションを取ることの必要性を体験
・意思疎通の成功体験を積み重ね
・言葉の発達を促進する土台作り
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📍家庭での簡単な始め方:
・お子さんの好きなもの(おやつ、おもちゃなど)の写真を用意
・欲しい時にカードを渡してもらう
・カードを受け取ったら必ず応えてあげる
・徐々に「○○ください」などの言葉も添える
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まとめ:今日から始めてみましょう
💡できるコミュニケーションを積み重ねていかなければ、その先はありません。
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言葉が出ていないお子さんでも、その子にできるコミュニケーションがあります。こちらがそれを理解し、適切に反応することで、お子さんが「話したい」というモチベーションを育むことができるのです。
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📍今日から実践できること:
・お子さんの行動を代わりに言語化する
・興味のあることから語彙を広げる
・小さな成功も大いに認めてあげる
・視覚的サポートを取り入れてみる
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少しずつ試してみてくださいね😊
今日も最後までお読みいただきありがとうございました!
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キッズランドまめの木
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\次回予告/
実践に慣れてきたら、さらに効果的な専門的支援も活用してみませんか?
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次回(第3回・最終回)では、専門機関との連携方法や、より高度な支援技法について詳しくご紹介します。
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・ソーシャルスキルトレーニング(SST)の活用法
・認知行動療法の基本的な考え方
・専門機関との効果的な連携方法
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家庭での支援と専門的支援を組み合わせることで、お子さんのコミュニケーション能力はさらに伸びていきます😊
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【ASD児コミュニケーション支援シリーズ】 第1回:理解編 第2回:実践編(この記事) 第3回:専門支援編 → 近日公開
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\ Tiktokもやってるよ😉/
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<about まめの木>
キッズランドまめの木は、茨城県県南地域に9つの施設を運営しています。石岡市・小美玉市・行方市・土浦市に施設があり、近隣市町村からもご利用いただいております。児童発達支援・放課後等デイサービスに加え、一部施設では生活介護も行っております。
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詳しくはこちらを御覧ください😊
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