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『言葉が出ない』≠『コミュニケーションができない』ASD児の豊かな表現力を理解しよう

  • 執筆者の写真: キッズランドまめの木
    キッズランドまめの木
  • 6月24日
  • 読了時間: 6分

更新日:9月22日


ASD児のコミュニケーション理解 非言語表現の豊かさ

(目安:5分)

【ASD児コミュニケーション支援シリーズ】

第1回:理解編 ← 今ここ

第2回:実践編

第3回:専門支援編

こんにちは!キッズランドまめの木です!

今日もブログをご覧いただき、ありがとうございます!

うちの子、コミュニケーションができなくて…

言葉が出なくて心配で…

そんなご相談を時々お受けします。

でも、ちょっと待ってください。

本当にコミュニケーションができないのでしょうか?

Question

以前、こんなことがありました▼

ある現場で、ほとんど言葉の出ないお子さんと1時間ほど関わった時のこと。その子は確かに会話はできませんでしたが、こちらの言葉をしっかり理解し、アイコンタクトや身振り手振りで意思表示をしてくれました。

帰り際、ご家族に「彼はけっこうコミュニケーションが取れますね。」とお伝えしたところ、お母さんから「この子がですか?コミュニケーションなんてできませんよ…」という言葉が…。

気持ちはわかります。

たしかに彼は言葉が出ない。

でも…

コミュニケーションはできていました。

区別

「言葉が出ない」と「コミュニケーションができない」は全く違います。

今回から3回にわたって、ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんの豊かなコミュニケーション能力を理解し、言語発達につなげる方法をお伝えしていきます😊

1.ASD児のコミュニケーションの真実

ASD児のコミュニケーションの真実

まずはASDの基本的な特徴を理解しましょう。

ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんの多くが、以下のような特徴を持っています▼

言葉の発達が遅れることがある

会話のキャッチボールが苦手

行間や心情を理解することが難しい

身振り手振りや表情を読み取ることが苦手

これは「コミュニケーションができない」ことを意味するのでしょうか?

オレンジのスピーカー

\「会話が苦手」にも様々なタイプがある/

📍会話を"始める"のが難しい子   - でも、始まると話せる

📍相手の反応を読み取るのが苦手な子   - でも、話すことはできる

📍話題を相手に合わせるのが難しい子   - でも、詳細に話せる

📍聞き手のことを考慮できない子   - でも、専門的な話ができる

つまり、コミュニケーション能力がないのではなく、得意不得意の分野が違うだけなのです。

\個人差の大きさに注目/

💡ASD児の表現方法には大きな個人差が▼

物を指差して要求を伝える子

手を引いて連れて行こうとする子

同じ行動を繰り返して注意を引こうとする子

その場所に立ってアイコンタクトで伝えようとする子

おなじ「お水が飲みたい」でも、表現方法は十人十色。重要なのは、その子なりの表現方法を見つけること。言葉より受け取りにくい表現ですが、「伝わった」「伝えられた」という感覚が大事なのです。

2.非言語コミュニケーションの豊かさ

非言語コミュニケーションの豊かさ

ASD児の多くは、多様な方法で自分の思いや感情を表現しています。特に非言語コミュニケーション(言葉以外のコミュニケーション)は非常に重要な役割を果たしています。

\表情とアイコンタクトで伝える気持ち/

📍表情での表現例:

・嬉しいときの自然な笑顔

・困ったときの眉間のしわ

・不快なときの微細な表情変化

📍アイコンタクトでの表現例:

・欲しい物と大人を交互に見る

・目を逸らすことで不快感や緊張を示す

・話しかける代わりにじっと目を合わせる

📍注意すべきポイント:

ASD児の場合、表情やアイコンタクト"だけ"で伝えようとすることが多く、大人が気づかないと「伝わらない」状況になりがちです。

\ジェスチャーや姿勢が語ること/

📍ジェスチャーでの表現例:

・欲しい物を指差す

・話しかける代わりに手を振る

・身振りで状況を説明しようとする

📍姿勢での表現例:

・前かがみになって興味・関心を示す

・体を斜めにして無関心を表す

・体を大人に向けて注意を引こうとする

📍触覚を使った心の表現:

ハグをしたがる → 親しみや愛情の表現

軽く触れる → 相手の注意を引きたい

手を握る → 安心感を求めている

3.観察が全てのスタート

観察が全てのスタート

「自閉症だから自己表現ができない」ではありません。

細かくて分かりにくかったり、クセが強かったりしますが…大抵の場合、なんらかの方法で自分の気持ちを表現しています。

まずはよく見ることから始めましょう。

・どんな時にどんな表情をしますか?

・どんなジェスチャーを使いますか?

・どんな時に近づいてきて、どんな時に離る?

その子なりのサインを見つけることができれば、コミュニケーションは始められる。言葉にこだわらず、まずはその子にできる方法で「つながり」を育むことが大切です。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました😊

キッズランドまめの木

\次回予告/

理解ができたら、次は実践です!

次回(第2回)は、非言語コミュニケーションから言語コミュニケーションへと発展させる具体的なテクニックをご紹介します。

・日常生活での効果的な言語化方法

・家庭でできる具体的支援策

・お子さんの興味を活かした語彙拡張のコツ

「お!プラレールで遊んでるの!?」といった自然な声かけから始まる言語発達支援の方法を、実例とともにお伝えします😊

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

【ASD児コミュニケーション支援シリーズ】

第1回:理解編(この記事)

第2回:実践編(◁つぎ)

Tiktokもやってるよ😉/


<about まめの木>

キッズランドまめの木は、茨城県県南地域に9つの施設を運営しています。石岡市・小美玉市・行方市・土浦市に施設があり、近隣市町村からもご利用いただいております。児童発達支援・放課後等デイサービスに加え、一部施設では生活介護も行っております。

詳しくはこちらを御覧ください😊



1件のコメント


ゲスト
7月03日

自分が自閉症スペクトラム上にあるかもしれないと疑っている大人にとって、自己評価のためのリソースを見つけることは力を与えることになります。オンラインのRAADS-R質問票を通して提供される無料の自閉症スクリーニングは、貴重な出発点となりえます。このツールは特に成人向けに設計されており、自閉症の経験に関連する社会的関係性、感覚経験、特定の興味などの領域を深く掘り下げます。これがスクリーニングツールであり、正式な診断ではないことを覚えておくことが重要です。しかし、結果はあなたの特性をよりよく理解し、成人自閉症の経験がある臨床医による包括的な評価を求めるべきかどうかを決定するのに役立ちます。これは自己理解を深め、必要に応じて適切なサポートにアクセスするための重要な一歩となりえます。

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